中学生時代のスクールカウンセラーの先生へ

中学生の頃の私は将来スクールカウンセラーになりたいと
思っていた。
中学生の頃スクールカウンセラーの先生とよく話した。
たわいもない話も誰に相談していいか分からない話も。
信頼出来る唯一の他人の大人だった。

中二の時。先生は学校をいきなり辞めてしまった。
精神的な問題だと話してくれた。

離任式の日。
お別れのスピーチが終わった後
いつも話を聞いてくれていた相談室へ向かった。

先生は私に「幸せになれ、幸せになってね」と何回も
言ってくれた。


どうしてそんなこと言うのだろう。言ったのだろう。
分からないし、大人になった今も分からない。

まだ子どもだった私は言い様もなく悲しかったし
もう会えないのかと泣いていた。


先生の来る水曜日が私には特別だった。
今でも私は水曜日が好きだ。

先生がくれたことばを、あの時間を思い出すから。


いつか先生のようなスクールカウンセラーになりたい。
そう思っていた。

その夢は今もそんなに形を変えていない。
でも大人と呼ばれるようになった私は普通に就職する事を
選んで。

なりたい気持ちは変わっていない。
だから働きながら心理士の資格をとるために
大学院課程を目指している。

通信制の大学、大学院でなら両立出来るのではないかと。
勿論、甘くない。分かっていながら諦めがつかない。



どうしてその夢にこだわるのだろう。
夢を見るのはやめにしなきゃなのに。


中学生のあの日、スクールカウンセラーになると決めてから
部屋中に心理関連の専門書がたくさん増えた。


大学も心理を専攻した。
でも選んだ。普通に会社員になって働くことを選んだ。


選んだけれど諦めた訳ではなかった。
何年かかってもいい。やりたい事を仕事にする。




先生に貰った夢だから。
いっぱい救いあげてくれたから。
貴女のように立派になれるまでどれだけ掛かるでしょうか。
なれるか分かりませんが努力します。

ねえ先生。
今でも落ち込んだ時、嫌なことがあった日。
どうしようもなく自分が駄目な時。


あの日先生が言ってくれた「幸せになれっ」って言葉を
思い出します。


先生はただ悩みをたんまり持ってくる私を
可哀想に思って言ったのかもしれないけれど。
それか何気なく言ったのかもしれないけれど。


今でもそれは私の支えになってるんだよ。
未だに覚えてるって気持ち悪いかな。


ありがとう先生。
スクールカウンセラーとして私の学校に来てくれて。
話をたくさん聞いてくれて。
大丈夫だよ、と笑ってくれて。

私に夢をくれてありがとう。



追記


はたから見たら中学生の時の夢を引きずる馬鹿にしか
見えないのかもしれないな。


と自分の書いた文面を読んで少しおもってしまった。